心の時代と言われ、モノではなく心の豊かさや、ふれあい、絆が重要視される現代にこそ、日本の茶会文化は重要であると考えます。一人で飲む飲み物は数多くありますが、いろいろな人が集うことがイメージされる飲み物はそれほど多くありません。
茶はその代表でもあります。伝統的な茶の湯や中国茶会、ティーパーティーなど茶の種類やスタイルはさまざまですが、主客ともに尊重しあい、心地よい幸せな時間を過ごすという思いは同じだと考えます。今回は、桃山時代の茶人から愛され続けた「備前焼」をテーマに茶会を企画いたしました。
釉薬をかけず、絵付けもされない備前焼は、目で見て楽しむというより、大地を、自然を、五感で感じて愛でる焼き物であると考えます。何百年もの間、茶人にその価値が認められ愛され続けてきた備前焼の魅力を、伝統の茶の湯と現代スタイルのさまざまな茶会を通してお伝えすることができれば幸いです。
日本ドリンク協会代表理事
日本茶インストラクター、ソムリエなど広くドリンクに精通し、受賞経験などを有する。お茶を中心に本物のドリンクの魅力と楽しみを伝えることを使命とし、プロのドリンク講師としても活躍。デザイナーズ集団「デザイン ギルド トーキョー」の一員としてお茶カフェプロデュースなども行う。
「知識ゼロからの日本茶入門」(幻冬舎)
「ティー&コーヒー大図鑑」(講談社)共著など